テディ・ルーズベルトは堂々たる一国主義者であり、かつ帝国主義者だった。

トランプは同じく堂々たる一国主義者であり、ナティビスト(移民排斥主義者)であり、彼は国連で資金援助の取消を嬉々として発表し、総会で多少の攻撃を受けた。

ルーズベルトは1912年の選挙でウッドロー・ウイルソンと闘い、関税制度を支持した。⑹

ウイルソンは関税を「硬直的で馬鹿らしい」と呼んだ。トランプは現在も積極的に新しい関税をかけ続けている。

トランプのスローガン「メイクアメリカグレートアゲン」と「アメリカファースト」はルーズベルトの「大きな棍棒を手に、優しく語りかける」と熱狂的な「いじめっ子!」というフレーズのまねだ。

ルーズベルトは行儀の悪いジャーナリストに対し「スキャンダル漁り」という呼び方まで新しく作り出した。ルーズベルトはこの手のジャーナリストを「社会の役には立たず、善を誘発するわけでもなく、瞬く間に邪悪な勢力になりかねない」と書いた。⑺

これはトランプが同じことを「フェイクニュース」とか「国民の敵」と非難の言葉を浴びせる1世紀前のことなのだ。ルーズベルトはかつて共和党だった。トランプは表面上共和党員であるが、2人とも自己の所属する党と激しく闘った。

ルーズベルトは1912年の党大会で激怒して飛び出し、共和党員のことを盗人の党だと決めつけた。⑻

トランプはツイッターで日常的に共和党員を罵倒している。

ルーズベルトとトランプは2人とも共和党を、体制派と寄付で政治家を操る金持ちからハイジャックしたと言えよう。

トランプとルーズベルトの比較は十分意味がある。ルーズベルトは名をなした学者で貪欲な読書家であり、18冊の著作があり、ノーベル平和賞を受賞していた。

トランプは読書には興味なさそうで、歴史や国際情勢には疎いように思われる。

※本記事は、2020年12月刊行の書籍『AFTERMATH』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。