リーダーのあるべき姿勢について

国会議員は半数以下で充分であり、道州制にもっていってほしいしそうするべきだと提言しましたが、それが実現されるまでは、国会議員や知事などのトップは給与を半分にするという覚悟は必要だと思います。私がトップならそうしますし、今でも自分の医院はそうする覚悟はできています。また、個人的に運営しているリハビリ型のデイサービスは実際もらっているどころか負担しています。噓だと思ったらいつでも調べに来てください。

例えば歴史上では、上杉鷹山うえすぎようざんが上杉家に養子に入り17歳で米沢藩主となった時には、上杉家の借財は20万両(現在の額にすると約120億円)にも上っていました。

わずか15万石の大名がその借財を返すことは気の遠くなるような気持ちだったと思います。そして鷹山がまず行ったことは、自らが倹約することでした。藩主の生活費を1500両から209両余りにしたのです。じつに5分の1以下です。

そこまでとは言わなくても、せめて国会議員や知事には給与を現在の2分の1ぐらいにする決意は必要だと思います。国や地方のためを思って自らリーダーを目指したのだから、いやいやなっている人はいないはずです。だからこそ、こんなことは言われなくても自ら声をあげてほしいと思います。

ここで、読んだことがない人もいるかもしれないので、上杉鷹山の「伝国の辞」を紹介します。これは、鷹山が家督を上杉治広(鷹山の実子ではなく、鷹山の養父で先代藩主であった重定の次男)に譲る時に、藩主の心得として伝授したものです。

一、国家は先祖より子孫へ伝え候国家にして我私すべき物にはこれ無く候

一、人民は国家に属したる人民にして我私すべき物にはこれ無く候

一、国家人民の為に立たる君にて君の為に立たる国家人民にはこれ無く候

私はこの文章を読んだ時、涙が止まりませんでした。そして私は、十数年前にちょうど小泉元総理が改革を叫んでいた頃、この文章を意見書と一緒に県の歯科医師会に提出しました。しかし今では小泉さんに日本の将来を期待したことと、意見書を送る相手の両方を根本的に間違っていたと思い、深く反省しています。

このような気持ちで事に当たっている藩主のもとにいる領民は、幸せだったと思います。

松下幸之助さんなども、そんな気持ちでトップに立っていたと思われます。その気持ちを社員がきちんと理解していたら、わずか亡くなって20年くらいで社名から松下の名前をはずしPanasonic と簡単に変えてしまえるわけがなかったと思います。