農業(お米)について

私の家を例にすると、両親はもう高齢であり、また父は心臓病や脳梗塞という病気になっているものの健在なため、作付けは昔より面積を減らしています。

苗を植えるのは隣の家の人にお金を払ってお願いし、両親、姉、妻と私たちがその時には手伝い、あとは稲が育っていく5~6カ月間は両親が草を取ったり水量の調整をしたりしています。

稲刈りの際は、今ではコンバインなどを持っていないのでまた人にお金を払ってお願いし、姉や私たち、時には子供がそれを手伝うという具合で家族総出で行います。収穫したお米の乾燥は、JAなど乾燥機を持っているところに頼むという形です。

現在では、家族や知り合い、それに私のデイサービスの昼食のご飯の分くらいしか作っていません。そのような状況なので、農薬などはほとんど使わずにやっています。

そうするとやはり、黒くて小さい点々のあるお米が白いお米に混ざっているのが見られます。この黒い点々はカメムシに食われてしまった跡です。

今年は大丈夫でしたが、農薬散布をしていないと、このようにカメムシにやられてしまうこともあります。売る場合には、お米をきれいな状態で出荷するために農薬散布もやむを得ないと思います。

もし、私の家の去年生産したほぼ無農薬のお米を市場に出したら、「何か黒い点々がある」「カビ? 虫?」「気持ち悪い」などとクレームが来て、無農薬ですからと言い訳をしても返品は多くあったと思います。

また実際に、あるところに私の家のお米を差し上げたら、カビか虫のようなものが見受けられるからと返されてしまったこともあります。

母は「もう絶対あげない。私が苦労して育てたのに」とショックを受けていました。でも、それが現実です。タダで差し上げたお米でさえもそうです。

ましてやその人がお金を払って買っていたとしたら、きっと叱ったりクレームをつけてきたりしたことでしょう。いいことが必ずしも受け入れてもらえるとは限らないということです。

ですから、反対に自分たちが食べるものでなかったら売るためには何をしてもいいということにもなりかねません。そこで農薬の基準が定められているわけです。

しかしながら、例えば中国では、光化学スモッグも基準がなさそうなのに、農薬の基準はあるのでしょうか? もしあるのなら本当にきちんと守っているのでしょうか?

中国産の食品は安全性で度々問題になっていますが、そもそも、天安門事件の時に自国の学生を戦車で簡単に轢き殺すような国にある基準とはどんなものなのだろうと思ってしまいます。

食はとても大切です。私自身はどれほども農業をしていないので、とやかく言える立場でありません。しかし私の家で生産されたお米は、私が全部買い上げています。