第10話 昭和20年8月6日

ビーーン

甲高い音を立て、TENCHIとシマは消えた。

その時、基地の小窓から、ピカッと眩い閃光が見えた。

涼子とアツシは手を握り合い、うなずきながら決意したかのように自爆スイッチを押した。

広島に巨大なきのこ雲が舞い上がる。

時は、1945年8月6日午前8時15分。

戦後26年 西暦1971年 昭和46年 日本・東京・国会議事堂。

赤いカーペットを歩く白髪のシマ、白いスーツに身を包んでいる。

群がる沢山の記者たち。

「日本初の女性総理大臣としての感想は? これから日本はどう進んでいくのですか?」

「戦争のない平和な世界を実現するために、これから全身全霊をかけて…」

声が遠く聞こえなくなる。

「浦総理! 浦総理!…」

記者が叫んでいる。