第14話 ライジング・サン

コンコン


「総理、パーティー終了の挨拶をお願いします」

部屋のドアから、秘書の家具屋が呼ぶ。

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「ああ……分かった」

「それと、今、鈴木社長との用は済んだので、やはり今日のスケジュールは予定通りにする」

「歳をとったが、まだやらなければならないようだな。お互いお国のためにもう一度頑張ってみるか」

シマはアツシの禿げあがった頭に頬寄せなでる。豊日自動車の社長にまでなったアツシもシマにとってはまだ少年兵のままである。

「いや、世界、人類の明るい未来のためですよ……」

アツシは両手でシマの手を強く握り締めた。

静かにドアを開け出ていくシマ。

ホテルの上空では、赤い目を輝かせ海亀型ロボットのTENCHIが空中に浮揚していた。一階フロアで行われている賑やかなパーティーをそっと見ていた。

「UFOって、TENCHIのような海亀ロボットのことだったのかな……」

シマは一階の窓から小さく浮かぶTENCHIを見上げ、そっと呟いた。