小鳥の鳴き声とともに、眩しい朝日が女の子を起こします。

生まれたばかりの太陽は、女の子の体を温めました。

目を開けた女の子は、カーテンからの光を眺(なが)めていました。

そして、女の子は思い出したのです。

「あ! 箱にしまったまま忘れていたガラスのカケラ!」

女の子はとっさに起き上がり、押し入れの奥を必死に探してみます。

「あった!!」隅すみっこから埃ほこりを被かぶった小さな箱が出てきました。

「こんなに小さかったかな?」箱を開けると、キラキラのカケラが、あの頃と変わらない姿で居てくれました。

女の子は、まるで大切な自分の一部にもう一度出会えたような気がしました。

「ずっと私の側にあったのに…大切なキラキラを見えなくしていたのは私だったね…ごめんね」女の子は、小さな箱ごとキラキラのカケラをギュッと胸に抱きしめました。

そして、今までに出会ったたくさんのキラキラのことも思い出します。涙が溢れてきました。

その涙のキラキラとカケラのキラキラが、心の中で溶け合ってゆきます。なんだか大きな力が湧いてくるようでした。

「大丈夫!」小さな頃に、満月が言ってくれた言葉が蘇(よみがえ)ります。

女の子は部屋の扉(とびら)を大きく開けて外へ出ます。

「大丈夫! 探しに行こう! これからのキラキラを!」

その日の夜は、ちょうど満月でした。

小さな頃に見ていたのと同じキラキラと光る満月。ずっと女の子を見ていた満月が教えてくれます。

「晴れの日でも、曇りの日でも、雨の日にだって、暗闇の途中にだって、キラキラはあるのですよ。それを見ようとする心と探そうとする心さえ失わなければね!」

女の子と満月は、キラキラとした光りの中で、微笑み合うことができました。

※本記事は、2020年12月刊行の書籍『平気なふりをしている心へ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。