一条通の変わり様を女房に嘆きながら西陣の街中華へ。学生時代は、週一回のペースで長崎皿うどんを食べに通った我が心の名店である。

皿うどんは、本場の長崎でもいろいろ食べたが、ここの皿うどんが一番美味しい。美味しい皿うどんが食べたかったら京都に行け。京都に行くなら皿うどんを食べろ。これは、今も変わらぬ僕の信念である。

女将さんに、三十年前に通い詰めた皿うどんが忘れられず、小倉から来たことを告げる。先代の大将は引退し、今は長男が後を継いだことを聞く。

ここの皿うどんは、五臓六腑に染み渡る餡の絶妙な甘みが特徴だ。野菜、肉、魚介の旨味を殺さずよく引き立てている。親子二代、しっかりと味の継承をしてくれているのが嬉しい。会計後、大将が挨拶に出てきてくれた。またの来店を約束して、店を後にする。