私は

私は なんでも私の言うとおりにしてくれる
カネミばあちゃんが大好きだった

いつもいないかあさんにかわって
ばあちゃんが いろんなこと 教えてくれた

ばあちゃんとかあさんが
言い合いをしているところを見たことがなかった
お互いの悪口を聞いたこともなかった

明治生まれのばあちゃんと
大正生まれのかあさんは
いろんな思いを 心の奥の奥にしまいこんで生活していた

カネミばあちゃんは

カネミばあちゃんは字が読めなかった
かあさんが新聞を読んで聞かせている声を 時々聞いた

「明日も雨ふりだって
車の事故が多くなってきてるって
秋には参議院議員の選挙があるよ
書く練習しないとね
今年の米は豊作らしいよ」

私はオサクばあちゃんにしてあげていないことが沢山ある

かあさんは生きる見本でした