科学が進んでも、祈る必要がなくなる時代は来ない。

病気を患った時、これからどうなるのだろうと誰もが思います。今までと同じ生活ができるのだろうか、家族に迷惑をかけないだろうかなど、不安が大きいほど、何とかしてほしいと祈る気持ちが強くなります。

もちろん医学は進歩しています。そして、このような不安をかなり解決できるまでになりました。しかし、すべての不安を取り除くまでには至っていません。

痛風はほとんど完璧にコントロールできる病気になりましたが、それでも薬は飲み続けないといけない。関節リウマチもかなり治療が進歩しましたが、治療がうまくいかない場合も少なくありません。

膠原病患者さんの予後もかなり良くなりましたが、まだまだ分からないことが多い病気です。今後、どんなに科学が進んでも、祈る必要がなくなる時代は来ないと思います。

逆に、科学技術が人知を超える領域に踏み込んだ時にこそ、祈る気持ちが必要になると思います。

病気の治療も、科学技術を応用して人知が及ばぬところに足を踏み入れているものだとも言えます。新薬も、先進的な手術も、未知の領域を開発せねばなりません。

患者さんが祈るような気持ちで毎日を送っているように、私たち医療スタッフも祈るような気持ちで治療に当たっています。何とかこの薬が効いてほしい、どうか副作用が出ないように、私たちも心の中で祈っています。

どうか、皆様、是非良くなっていただきたいと、ここに改めてお祈りいたします。

※本記事は、2019年1月刊行の書籍『リウマチ歳時記』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。