今回のエピソードも日常的に起こっていることである。いつもの神社公園に行った時の話。神社公園の入り口でもある神社の鳥居をくぐると、ショーはもう自転車から飛び降りる体制に入る。

「ショー、まだまだだ」と言っても無駄だ。自分の興味、欲望には忠実なショー。シ

ョーは自転車の後ろの台の上に立ち上がり、自転車を漕いでいる私に覆い被さってきて手を背中からまわしてきて私の目を塞ぐ。「ショー、止めてくれ! 危ないよ」私は思わず自転車を止める。自転車が止まるやショーは素早く自転車から降り、神社の賽銭箱の前にぶら下がっている鈴のヒモをガラガラ鳴らし、すぐ公園の中に消えて行った。公園には人っ子一人おらず、その静けさを保っている。