捜索開始

ショーは何時だって自分のやりたいことをやる。やりたくないことは断固拒否する。

一度気に入ったことは毎日どこでもやり続ける。朝早くから夜眠るまで。ショーの日常の基本である。

それは毎日の仕事で疲れ切って、たまの日曜日にはゆっくり朝寝したい時でも容赦なくショーの日常に組み入れられる。このエピソードは日曜日になると決まって起こる日常でもあるのだ。

土曜出勤の疲れを癒やすべく朝寝を楽しんでいたときの話。明け方であろうか、楽しい夢をみながらまどろんでいたとき、いきなり顔面に何かがぶつかってきたのだ。

「ワーッ」と言って起きると、長男のショーがキャンディーボールで遊んでいてボールを私の顔面にぶつけたのだ。頭の後方を見るとショーがニコニコしてこちらを見ている。

私はショーだと分かると怒らない。怒っただけ無駄と分かっているからだ。

「せっかくの日曜日なのにゆっくり寝かせてくれ。ショー! 頼む」

ショーはそんな私の願いを知ってか知らずか、私の顔に思いっきり近づき目をじっと見ている。わかったショー。私はショーが何を訴えているか即悟った。

しかし、せっかくの日曜日。もっと寝たい。ショーごめん、まだ寝たいので後で公園に連れて行くからもう少し寝かしてくれ。

ショーは怪訝な顔をして私の枕元に転がっているキャンディーボールをとるとペタペタとボールを叩きながら行ってしまった。