ブルーストッキング・ガールズ

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大きめの花柄のランプが明るく部屋を照らしていた。美津の枕元で、トメが数学の教科書を開いて教えてもらっている。

トメはこんなにもきれいな光の中で夜を過ごすのは初めてだったし、今は女学校の教科書を教えてもらっている。美津にとってもひとりきりの夜は心細かったが、トメがいてくれることで心がはずんだ。本当は数学は苦手だったが、トメに説明しているうちに自分でも理解ができ、勉強の楽しさが分かるような気がした。

「いい、この方程式の甲・乙・丙にそれぞれ数を入れるの、この場合、座標の、この数とこの数。分かる?」
「うん、うん。わー本当だ。そうなるんだ。すごいな」
「トメさんって、まるで恋愛小説を読むように教科書を読むのね」
「そんな……でも私、うれしいんだ。勉強ができるってすばらしいね。うちは貧乏だ……長女の私が呑気に勉強なんかしてられない。でも私、とっても、とっても勉強がしたかったんだ。父ちゃんは『お上のお達しだから、尋常に通わせた。えらい迷惑だった。女なんかが勉強して何になるんだ。