デジタル時計が日常生活に普及してきたときに、小学校ではアナログ時計で教えていくのがいいか、デジタル時計がいいかの議論になりました。しかし、量感を養うという点ではアナログ時計が適しています。

このように日常生活で数的な処理ができてくると、次にものごとを数式に置き換えて考えることが必要になってきます。

たとえば、たし算であれば「増加」「合併」の操作を計算式に置き換えることができます。ひき算であれば「求残」「求差」の操作などで考える力を育てていきます。

発達障害の子どもは、算数のなかでも計算は得意な方ですが、文章題ともなるととても苦手になります。言葉にはいろいろな意味や表現があるのです。

たとえば、「+」という記号は「たす」ですが、「合わせる」「増える」という操作概念があって、それを日常生活の現象のなかから切り出すことが難しいのです。「誰もいなくなった」とか「全部食べてなくなった」とか「使って手元に残らない」「ピッタリと一致して差がなくなった」などは「0(ゼロ)」の概念ですが、言葉で表現されるとよくわかりません。

余談になりますが「0(ゼロ)=無」ということではなく、ゼロはアラビア数字(算用数字)の計算をするときの位取りで発見されたともいわれます。

※本記事は、2019年6月刊行の書籍『もしかして発達障害? 「気になる子ども」との向き合い方』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。