それまで、障害は個人的要因でみてきました。ところが、それだけでなく環境的因子も影響していると考えるようになり、一人ひとりが主観的に感じている「生きにくさ」を障害としてとらえるようになってきました。そうなれば、環境のあり方によって障害がなくなってしまうという考え方ができるのです。

これは障害をとらえるうえで、社会的要因である環境条件を一層重視しなければならないことを物語っています。

障害の定義に環境的要因も組み込むことによって、特に社会的不利を発生させている環境上のメカニズムを解明し、社会的不利・参加制約をなくす方策を社会全体で考えることができます。

さらに、「参画」ということもいわれ、障害者関係団体から障害者自身も国の政策に計画段階から参加できるように求めたのです。『障害者自立支援法』全面施行の1年後に全国フォーラムがおこなわれました。

そのときのテーマが「私たち抜きに私たちのことを決めないで!」というキャッチフレーズで、たいへん印象に残るものでした。