第一章 現代病の真実

低下し続ける現代日本人の体力

二つ目の原因は、「生活環境の変化による身体機能の低下」です。二〇二〇年一月に公表された調査結果から、令和元年度の小学校五年生及び中学校二年生(以下「児童生徒」)における体力合計点(各テスト項目に係る得点を合計した点数の平均値。以下同じ)について、平成二十年度の調査開始以降の推移をみると、令和元年度は小・中学生ともに低下。

小中学生ともに、女子よりも男子の方が大きく低下しており、特に、小学生男子は過去最低の数値でした。スポーツ庁のデータから大きく読み取れるのは、「絶対的な運動時間(機会)の不足」、「スクリーンタイム(スマホ等のスクリーンを見ている時間)の増加」、「朝食の欠損」です。

私が気になったのは、これらの生活環境の変化による小中学生の「肥満率の増加」です。身体を動かさない、食事を軽視する傾向がさらに進むと、将来的に生活習慣病予備軍者になるリスクが年々、上がっていくことが懸念されます。(参照:スポーツ庁「令和元年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果」)

写真を拡大 [図1]日本の小中学生の体力と生活習慣の相関関係