図書室のお楽しみ

図書室が目指していたのは何だったんだろう。

図書室やおはなし会は、絵本や本を好きになってもらうためだけにはじめたのだろうか。

ただ、担任の先生方に迷惑かけているとしたら、各クラスに何か悪い影響を与えているとしたら、それは正さなければならないと思った。そこで、先生方に相談をしてみた。先生方からのお返事は温かかった。

クラスの方で悪い影響というのはないということ。保育室と図書室は別の空間として子どもたちが過ごしているように思うということ。本を読まなくても、本がある環境にいるだけで、自然と本を身近なものに感じるのではないかということなどなど。

ただ「楽しい中の約束」のことはクラスで話をしているので、はめをはずしすぎるようなことがあったら教えてください、ということだった。

図書室の軸をしっかり持って、私もやっていかなければと思った。

もう一つ、忘れられない本以外のおはなし。

 

園長先生が図書室に「栗の実」や「どんぐり」や「からすうり」をいくつかずつ置いてくださったことがある。「栗の実」や「どんぐり」は見たことがあるけれど「からすうり」は私も見たことがないし、まして中がどんなふうになっているのかなど知らなかった。園長先生に開けていいですよ、と言われて、一つずつ開けてみることにした。

ある時、担任の先生が女の子と一緒にやってきた。赤い実のなまえを知りたいということだった。その実のなまえは「からすうり」だということ、その実の中には種があることを知って、納得して教室へ戻っていった。

それから、最後のからすうりを割ろうとした時のこと。小さな5mmくらいの虫がついていた。虫を外に放したあと、からすうりを入れていたカゴを片付けようとしたら、赤い小さなフンがたくさん落ちていた。

「これなあに」と女の子。「虫のフンよ」と言うと「ふーん、きれいだね」「きっと、黄色い実をたべると黄色いフン、白い実をたべると白いフンをするのかもしれないね」と話が広がる。「うえーきたね」という男の子はそのやりとりを遠巻きに見ていた。