第2章 経営と補助金の関係

100投資して200回収する

費用対効果の高い投資ですか?

お子さんがいる方はイメージしやすいと思いますが、子供を連れて電車に乗って移動するのは大変な苦労です。その上、エステサロンに行こうものなら、黙っているはずもありません。

そのため、お子さんが小さいうちはエステなど、自分磨きを諦める主婦の方々が多かったそうです。ここに目をつけて、例えば、整体院のキッズスペースに子供を預けて、15分ほど自分でエステできるサービスをつくれば、利益が見込めると確信したそうです。

先行投資額が約1000万円で、2年後には営業利益を年間500万円見込んでいました。費用対効果をロジカルに考えられるようになれば、たとえ異業種への参入でも大きな利益を稼ぐことができるようになります。

補助金は満額使わない

どうせなら補助金を満額もらいたいという気持ちはわかりますが、ここで補助金を使うときの注意点があります。それは、補助金は必要最小限もらいましょう、ということです。多くの補助金は100万円~200万円ほどですが、中には500万円~1億円と、上限額が大きいものがあります。

普段は財布の紐が堅い経営者でも、補助金が出ると知った途端、あれもこれもといった形で補助金を満額取ろうとします。しかし、これが思わぬ落とし穴になります。

ほとんどの補助金は、先行投資額の50%~75%が支払われます。逆に言うと先行投資額の25%~50%は自腹となります。先行投資額が大きくなればなるほど、会社への負担は大きくなります。そのため、利益が出るかをよく考えずに補助金を満額取ってしまうと、資金回収が遅くなるか、場合によっては損をする可能性があります。

自分の計画が採択されたとしても、すぐに補助金が出るわけではありません。補助金はあくまで、使ったお金の一部が補助金として戻ってくるものだからです。仮に事業計画の期間が1年間の場合、1年間事業にかかったお金を自己資金や借り入れなどで立て替えて、その後補助金が振り込まれます。

つまり、補助金を申請してから補助金を受け取るまで、1年以上かかります。いくら補助金が出るからと言っても、会社の財政状況として負い切れない先行投資を行うのは得策ではありません。「補助金最大◯万円!」という広告をよく目にしますが、一度冷静に考えることが大事です。