第一部 チャレンジド人生

第一章 新居・マスターズマンションに移って

当マンション・中楽坊で第四の人生を迎え、愚直人生を全うしたい

昨年(二○二○年)後半あたりから、49年間住み慣れた御殿山での生活がこのまま続けられるかどうかについて疑問を感ずるようになりました。御殿山でも私のところは駅まで4~500メートルと近いほうなのですが、途中急な坂があり、住宅専用地域で買い物するにも外食するにも不便とあって、宝塚市内でもっと住みやすいところはないか探し求めておりました。

そうしたとき、平地で外食・買い物にも便利、マンション内のレストランで3食も可能、という中楽坊に出合ったのです。80代後半になっての引っ越しは心身の負担が大きくタブー視される向きもある中での、一大決心でした。

長期にわたるリハビリ生活を通じて、私自身リハビリ施設での交流も、おかげさまで楽しく充実して過ごして来られました。本の中でも述懐しておりますが、まさに「リハビリは人生、人生はリハビリ」、リハビリもまた楽し、を実感してきました。

リハビリ施設での話もそうですが、中楽坊に来て皆様とのご縁をいただき、まだ3か月余りながら思うことですが、このマンションの皆様がお互いに、健康で心豊かに人生を送ることを目標に、日々を楽しく充実してふれあい・交流することを心がけておられ、仲間意識が強いようにお見受けします。

それによって、このマンション全体がファミリー的で、理想的なコミュニティ社会を形成しているように感じております。

私たちもその仲間に入れていただいたわけでありますが、私自身が身体の自由が利かないうえ、妻にも認知力低下という心配な面がある中で、まだまだ慣れないことばかりで、食事もほとんど3食をマンションのレストランでいただいております。

しかし慣れるとともに、私自身も「主夫」の役割、食事づくりもできるようになりたいな、という思いがしております。

もともと仕事人間で家のことは妻任せでありましたので、引っ越しの際の断捨離には非常に困りました。今、家事のことを必要に迫られてやろうとしても、身体の自由が利かないうえに、勝手がわからず、こうなって、これまでいかに自分は妻頼みできたか、家事に疎いかを痛感している次第です。