私たちの春

「ええ。そうするつもりよ。学生生活もこれがラストだと思って、思いっ切り味わうつもり」

「ユミは、本当にエライなあ。いつでも元気で積極的。そういうところが、私、ユミの好きなところよ」

私は言った。

「ありがとう。大人になれば学歴なんて、たいしたことじゃなくなると思う。それよりも人間関係とか、明るさとか、元気、前向き、感謝の気持ち。そういったものの方が大切になっていくと思う」

「そうよ。明るい元気な気持ちが一番」私は言った。

「私も、結婚の道を選ぼうかな。私は正樹さんのことが好き。それにニューヨークにも行ってみたい。私、子どもの頃から、いつも思っていたの。いつかは、日本から海外へ飛び出して新しい世界の中で暮らしてみたいって。今が、それを実現する時期に来ているのかもしれない」

「そうよ。自分の力で人生を切りひらいていこう」

私たちは、話をしながら、お互いに力強いものを感じていた。

新年も明けて、一月になり学校も三学期が始まった。私は受験勉強は、東京栄養大学の過去問題集で学習していた。過去問題を問くことで、その大学の出題傾向を知ろうと思っていた。

英単語帳で英単語の暗記もした。三年生の三学期は、授業は午前中だけで、午後は、各自、自習して過ごすことになっている。私たち三人は、ある日の午後、空き教室に集まっていた。

「京子とリエに報告したいことがあります」

「何?」