本書でも、詞書き(短い物語)を全て付すスタイルにしました。和歌と詞書きの両論併記こそは、作品を読んだ人が作者の当時の心情に迫るための、私達の祖先が編み出した、文学への気高く尊い、知恵の賜だと感じています。

◆第二の特色は、菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)や清少納言、等の平安時代の女流文学者、つまり、歴史上の実在人物の立場に立って詠歌をした作品が多く含まれている事です。この試みは、ついと例を見ないでしょう。

更級日記や枕草子、和泉式部日記等に、もしも自分が登場していたら、そして、自分が作者そのものであったならば、おそらくこのように詠んだであろう。そういう視点は、これまでの現今の和歌集にはなかった発想だと思います。

◆第三の特色は、【現代語訳】を付して、鑑賞し易くした事です。

◆第四の特色は、【参考】として、文法に関する語釈や創作の時代背景等も取り上げて現代語で解説し、鑑賞の一助となるように努めた事です。

まとめますと、

◎「創作和歌」「詞書き」「現代語訳」「参考」の四部構成スタイル

①歴史上の平安時代の作家の心情等を平安時代のかな言葉で創作した「創作和歌」

②作歌に当たっての経緯等を平安時代のかな言葉で創作した「詞書き」

③創作の趣旨をできるだけ正確に反映した【現代語訳】

④平安時代の語釈や時代背景等を現代語で解説した【参考】

・作品は、睦月一月から師走十二月に分け、四季折々の風情を感じ取れるようにしました。

・作品は以下の三つのタイプに分けられます。それぞれの作品の最初に記してあります。

  A~著者が自らを実在した平安時代の女流文学者だと仮定し、かな言葉で作歌

  B~著者が自らを平安時代に生きていた一般人だと仮定し、かな言葉で作歌

  C~著者が自らを現代の生活をかな言葉で作歌

 Aは、彼女たち女流文学者への讃辞や敬意、心からのオマージュです。

・主体となる本書作者の創作本歌とその関連記載に「◆」を振って、見易くしました。

・詞書きの現代語訳は、読み易くするために、句点が一致していない場合があります。

・【参考】は、難しい部分があれば、読み飛ばしてくださっても構いません。そうしても、創作和歌や詞書きを十分に楽しんで鑑賞できるようにしてあります。

・本書作者の好みの表現が、繰り返し使われている場合があります。

・本書作者は文学研究専門家や学者でも、また歌学を学んだ歌人でもありません。一介のアマチュア趣味人です。また、本書は文学研究書ではなく、趣味の和歌集です。

内容には誤りがないよう努めましたが、もしもお気付きの点がございましたら、お知らせください。本書が、平安時代の和歌の世界の素晴らしさを楽しんで頂く一助となれば心より嬉しく思います。