「学生期(がくしょうき)」 師のもとで勉学に勤しむ期間

「家住期(かじゅうき)」 家庭にあって子をもうけ一家の祭式を主宰する時期

「林住期(りんじゅうき)」 森林に隠棲して修行する時期

「遊行期(ゆぎょうき)」 一定の住所をもたず乞食遊行する時期

ただいま75歳の「林住期」。

「林住期」は、真に人間らしく、自らの生き甲斐を見つける季節でもあります。人間として最も有意義で充実した生き方ができるときです。したがって、この時期を逃すことは人生の大きな損失となります。

「夢の隠居生活」に向けて、まずは自由な時間が手に入ります。そのほかに必要なのは身体の健康と頭脳の健康、そして感謝の気持ちです。

この本を手に取ってくださった方は、多分、私と同世代の方ではないでしょうか。お互いに人生100年まで、笑って過ごす技を身につけてまいりましょう。

私は読書が趣味であり、多くの本を読むことで、自分の考え方を構築してきました。本書が少しでも読者のみなさまのお役に立てば、この上ない幸いです。

第一章 「100年人生、目的を持ち幸福を目指す」

多くの人がそうであるように、私自身も社会へ出て、仕事を通して「成功」という目標に向かって走り続けてきました。会社という組織の中で、常に与えられた数字目標を達成することが成功の証でした。

そして、毎年給料が上がり、昇進することが自分にとっての「成功」でした。それは誰もが目指した目標でありました。

最初に入社した会社では、高度経済成長の時代であり、頑張れば頑張るだけ、会社の売上に貢献できたので、夢中で仕事をしました。

往復3時間の通勤時間も苦にはなりませんでした。帰りはいつも午後9時過ぎ、それから食事をして、寝るのはいつも12時過ぎという生活でも、内心では、「会社人間」、「働きバチ」と思いつつも、充実していました。当時の流行語には「24時間働けますか」というテレビコマーシャルも流れていました。それでも、会社の業績は悪化の一途で、会社は他社に買収され、規模もだんだん縮小していきました。自分の仕事が会社の業績に貢献できていないことに挫折を味わいました。

「成功」とは、何だろう?

疑問が芽生えました。自分にとって得た結果が満足できるものであっても、自分以外の結果が同期していなければ、それは「成功」とは言えないことを、実感しました。