『変化するコミュニティ』

仲間? 力?何を言ってるんだ、この人?

ここに来て、この男のやりたいことがてんで分からなくなる。

いや、初めから何も分からないが……、

「ああ。お前ほど綺麗には展開できないけど、一応オレも力を持ってる」

その台詞を聞き素直に驚いた。俺のような力を会得した人が他にもいるのか。

ん? ということは院さんも狙われるんじゃ……。

いや、だからこそ同族となった俺にわざわざ忠告に来たのか。

「ってことで、同じ力を持った者同士、LINE交換しない?」

ホント、話の内容がいきなりすっ飛ぶな、この人は。

唐突に話が変わり、いつもなら「え? え? は? え?」と話の展開についていけなくてテンパるが、今日は奇跡的に瞬時にポケットの中にしまい込んだスマホを取り出せた。

震える手でLINEというアプリを開き、幾つか操作をした後にバーコードリーダーで読み取る。その後、俺をこれ以上拘束はしないと言った風で「じゃあ、また会おうな」と何の約束も無しに去り際の挨拶をした。

そして俺は忠実にそれに従い、軽く頭を下げてまた病院へと向かった。

「……カフェオレ、ありがとうございました」