ゴルフの起源と競技の基本、そして奇跡の十八番ホール

競技方法その他

終に十八日、最終日がやってきた。この日で四日間の国別対抗戦ワールドカップも決着がつく。

日本はアルゼンチンと十組目のスタートで、その後はフランス、南アフリカ組が続く。そして、最終組がアメリカとニュージーランドである。日本はトップと4打差、アメリカは3打差で、上位数カ国がデッドヒートを演じ、各国とも優勝を狙える位置にある。

しかし、この大事な最終日、日本はよく善戦健闘したものの、2バーディー、2ボギーの72とスコアを伸ばせず、四日間を通じ最悪の結果となり、通算18アンダーで残念ながら 11位タイに終わった。

とは言え、伊澤、丸山の両選手は、今回w杯開催国として全力で戦い、このビッグイベントを最大限に盛り上げたことは大いに賞賛すべきである。そして、この最終日、最終ホールで、終に奇跡が起こったのである。

ここまでトップと5打差離されていた十五番ティーでは、誰もがアメリカの優勝はないものと確信していたに違いない。

ところが、十五番、十六番、十七番と破竹の三連続バーディー。トップまであと2打差に追い上げてきたのである。残るは最終十八番ホールのみ。十八番ホールは517ヤード、パー5。

この日は、一つのボールを交互に打つフォアサム方式。最初に打ったウッズの第1打は、フェアウェイをキープ。続いて打ったデュバルの第2打は、グリーンを外れてピンまで15ヤード離れたラフに落ちた。

第3打目、ウッズは、おもむろにサンドウェッヂを手に取った。カップはグリーンの奥のエッヂから僅か5ヤード。サッと振り下ろされたクラブのフェースに触れたボールは、グリーン手前でワンクッションした後、見事なフックラインを描いて、そのままスッポリ、カップに吸い込まれたのである。

その場に居合わせたギャラリーもテレビの前の視聴者も、その瞬間、ヒヤッと心臓が停まったに違いない。今まさに自分の目の前で、奇跡が起こったからである。その一瞬後、静寂から溜め息に、そして狂喜の歓声に変わっていったのである。