そんなわけで、冒頭に唐突に「一匹のハエ」という短編を提示させていただきました。これは、作者(≒ぎんちゃん)が六十歳で会社勤めを定年退職して、再就職がなかなか決まらない時に作ったお話です。今までのサラリーマン生活の実績が捨て切れずに心の隅に残り、変な自尊心に満ちていた頃でした。

自分が、何を求めて生きているのかが全く分からなくなった時期でもありました。「これではいけない。もっと本質的な生き方に立ち戻らなければ」と覚醒しました。

こんな悩みを作品の中で、ぎんちゃんは自問自答しながら考え、並行して生き物たちとの共存も模索していきます。それは、生き物たちへの自然環境の回復のみならず、生き物たちのその自然に棲む権利を知り、そして人間の生きる上での謙虚さの重要性にたどり着きます。

ぎんちゃんが、多くの人に知って欲しいと思っていることは、地球環境の再生の原動力となる「生き物たちと共存できる人間の謙虚さ」なのかもしれません。

前作を読んでいない方々にも、里山での臨場感のある生き物たちとの生活を感じて頂けると思います。楽しみながらも、じっくりと考えて頂ける内容になっております。

尚、文中での批判的言論と思われる部分は、意図して特定の方々の生き方や仕事を否定するものではなく、少なからず誰にでも共通する課題認識として書いております。違和感、不快感を抱く方もおられるかもしれませんが、読んで頂けると嬉しく思います。