❽MONDO 本を奪われる

夕方6時の鐘が鳴り響くと本堂は多くの信者で埋め尽くされた。ローザが鏡の前に現れ、鏡が開く時間になったので信者全員に向け注意を促した。カイユとベルサも信者達に紛れ参加する。

すると鏡から、けたたましい音が聞こえ、多くの信者が突如、何かに吹き飛ばされ宙を舞った。カイユは鏡の前で蠢くカバのような巨体を持つ植物の化物を見た。ローザは何が起こっているのか分からなく混乱したが、直ぐに信者達に化物から離れるよう叫んだ。

混乱の中、宗教着を着た一人の信者がカイユの本を手に忍ばせ、ゆっくりと鏡の前へと歩み寄っていた。化物はその信者に気付き、持っていた本を奪おうと顔らしき中心から長い触手を伸ばした。

 

信者は迫る触手を払うと、その勢いで被っていた宗教着がずれて猫の顔が現れる。それを見てローザは叫んだ。

「猫が現れた! 本を奪え!」