いうまでもなく、ここでいう骨盤とは、腸骨と仙骨と尾骨と大腿骨座骨と腰椎から構成される骨格系の事を指します。運動器系疾患を治療するのに際して、この骨盤の歪みに着目したのは、画期的発想です。

又、自分自身で骨盤を矯正する方法として、ゴムベルト(ゴムチューブ)を使用する点は、筋肉強化やストレッチにも著効の挙がる加圧式トレーニングとも共通する認識がある点も素晴らしいと考えます。

但し、骨盤の歪みの原因と、その治し方に関しては、私なりに、若干の補説と修正が必要であると思います。頭蓋骨や頸椎や脊椎や骨盤等に歪みがあると人体には次の様な影響がでます。

1、神経孔が圧迫されて神経伝達に異常が生じる

2、脊髄神経が圧迫されて神経痛症状が出る

3、血管系が圧迫され酸素や栄養の代謝が不十分になり筋肉系に硬結や痛みが生じる

4、14経絡のうち左右対称に流れている12経絡の流れに乱れが生じて、その結果自律神経失調を引き起こす

骨折や骨打

撲のように骨自体に原因がある場合を除き、骨が歪む事は、ありません。骨格系が歪む原因は、次の3種に分類できます。

1、骨格を作動するのに必要な筋肉や靱帯に、疲労や硬縮があって、骨が硬縮側に引っ張られた状態が続き、椎骨や椎間板に歪みが生じる場合(側弯症・股関節症・変形性膝関節症などが、この典型事例です)

2、内臓の未病(みびょう)末病(まつびょう)があり、この愁訴が、ヘッド氏帯の反射として、背部や腹部の諸筋の、硬結と硬縮を生じさせ、その影響で骨格系が引っ張られて歪みが生じる場合

3、日常的、職業的な、特定の姿勢の継続により骨格系に歪みが生じる場合(スポーツ選手に多くみられる腰・首・肘・膝・肩の変形からの愁訴が主なものですが、最近では、スマホ首による痛み・痺れを訴える方も増えています)