【前回の記事を読む】「適正な刺激量」こそが重要!簡単なようで深い思慮を必要とする治療法

第2章 東洋医学的施術法によるアプローチ方法

近藤哲二先生創始のバランス鍼法「新経絡治療」の画期的成果について

近藤哲二先生創始の新経絡治療は素晴らしいのですが、体感・理解が難しい側面も否定できません。虚証・実証の判断で「気の受信」が必要となるからです。私の経験から、一種の「内気功」に似た操作が必要になります。この操作は、実際にやってみると意外に簡単に会得できるようになります。

・実症経絡の判定方法

十二経絡の各井穴に気を集中すると、実症経絡では、気が頭から腹部・下半身に向かって下降します。眉間がスッキリします。実症経絡では、圧が加わると気が下降する性質があるようなのです。

加圧の方法としては、天心治療院製作のポイントチェッカーの誘導棒が、効果的なのですが、市販のレーザーポインターを井穴に照射する方法で代用もできます。気功の心得がある方は、井穴に気を注力する事で、同様の効果を得ることも出来ます。

・虚証経絡の判定方法

実症経絡が判定できたら、十二経絡の循環・配当に従い、上下関係、左右関係、対角関係にある各該当経絡の井穴に「鍉鍼(ていしん)」を当てて、眉間がスッキリし、下半身が温まる感覚を得られれば、それが虚証経絡であると判定します。逆に、鍉鍼を当てて、頭が重くなったり、不快な気分になったり、吐きそうになれば、それは虚証経絡ではないと判定します。

・ 左右の手に各々上半身経絡六経絡、左右の足に各々下半身経絡六経絡があるので、その井穴での、気の受信をして判定します。

例えば、右手大腸経と左手肺経が実症経絡であると判定した場合には、左手大腸経又は、右手肺経に虚証の可能性があります。鍉鍼を当てて何もなければ、虚証経絡ではない事になります。右手大腸経と左手心経が実症経絡であると判定した場合には、対角にある左足胃経と右足脾経が実症経絡であり、左足脾経又は右足胃経に虚証の可能性があります。

・ 近藤先生の理論では、気の循環型とも云える「左右の肩上がり・足下がり」の理解も必要ですが、これには、多少の訓練が必要です。