【前回の記事を読む】幸先の良い朝。留学生たちを連れ、ダラスの空港へ出発進行!

がんばれ、新人添乗員

初めての添乗

二十分後空港に着いた。

「では、私についてカウンターまでお願いします」

支店長はバスの前で、スーツケースの降ろし忘れがないか確認している。チェックインカウンターで全員のチケットを渡し、搭乗券をもらう。また、バゲージタッグを皆に配布する。出発まで三十分ある。

「皆さん、二十分後にここに集合してください。遅れないようにお願いします」

空港ロビーには、ダラスでホームステイしたメンバーが集まっていた。真知子は学生が集まっているところに行き、案内を始めた。

「ダラス発の皆さんはこちらに集まってください。チェックインする荷物とハンドキャリーを分けて申告してください。また、航空券も手に持って並んでくださいね」

ダラスからの学生は八名だ。皆、大きなスーツケースを持って並んでいる。ホストファミリーも見送りにきて、別れを惜しんでいる。カウンターでは順にチェックインが進み、全員終了。

「皆さん、搭乗券を手に持ってください。それから、機内持ち込みのバッグなどにはカウンターでもらったタグをつけてください。足りない人、もらっていない人はいませんか」

「すみません、二個あるのに一つしかもらわなかったです」

「分かりました、すぐにもらってきますね」

急いでカウンターからもらい、本人に渡す。

「搭乗時間まであと二十分ですので、十分後にここに集まってください。遅れるとおいていくことになりますから気をつけてください」

ダラス組は、残り少ない時間を見送りのホストファミリーと名残惜しげに過ごしている。

出発十分前に全員集合し、搭乗口に向かった。機内はあまり混んでいないようである。

シカゴまで三時間。途中で機内食を食べるので効率が良い。とにかく、無事シカゴへ向けて出発できた。添乗員にとっては機内が唯一の休息の場。しばらく仮眠をとることにした。今日のフライトはコンチネンタル。サービスはまあまあだが、食事は結構良いといわれているので楽しみでもある。