【前回の記事を読む】【東洋医学】眼精疲労も、捻れの原因…体の捻じれの原因と対処法

第1章 病気になる原因を考え、その改善のヒントを得る

免疫力とは何か

免疫力とは恒常性維持機能(ホメオスターシス)の中心的役割を担う能力で、病因(主として外因)から自身を守る為の、生来人間に備わっている生体維持機構の事を指します。古典には、衛気・栄気と表現されています。西洋医学では、免疫細胞が、異常細胞を攻撃貪食して、生体の機能正常化を図る機能の総称として使われます。

これを向上させるには、腎経を中心とする先天の気と、胃経を中心とする後天の気を活性化する必要があります。長野潔先生の免疫機能強化処置法が最も優れた改善法です(軌跡:102頁以下)。

免疫力に関係深い経絡

*胃経……免疫力の基礎となる、体力を滋養する経絡で、胃の気の向上に必要です。

*腎経…… 免疫細胞を生成する骨髄に関与する経絡で、先天の気の活性化に必要です。副腎や胸腺や舌下腺の能力向上という重要な役割も担います。

*肺経……皮膚や粘膜など、外因と接する最前線での生体防御に関係する経絡です。

*肝経…… 免疫細胞を全身へ血流に乗せて運ぶとともに、生体にとっての不要物や有害物の解毒、無害化に関与する経絡です。

*脾経…… (しん)(えき)のひとつである、リンパ液の生成と運搬の役割を担う経絡です。

*三焦経… 骨髄や脾臓で作られたリンパ球を、T細胞に変化させる、胸腺に関係する経絡です。