昭和48年から昭和50年は日本のモータリゼーションの絶頂期

年を取ると昔のものが懐かしく、またとても良かったと思うことが多くなる。

私にとっては車もそのうちのひとつかもしれない。

なにせ、後述するが、私が運転免許を取ったのが昭和48年3月。

日本のモータリゼーション史上、各社が新車開発に血眼になり、次々と各社から新しい車が毎月のように発表されていた夢のような時代であった。

トヨタではセリカ&セリカリフトバック、カローラレビン、カリーナハードトップをはじめマークⅡ、コロナなど各モデルの2ドアハードトップなどなど人気車種が目白押し。

日産からはスカイライン2000GT、ローレル2000SGX、ブルーバードSSS、サニー1200GXなど。こちらも負けじと個性派ぞろい。

マツダからはサバンナクーペ、カペラクーペなどロータリー兄弟。昭和50年のカーオブザイヤー、コスモAP。

ホンダからはオレンジ色がテーマカラーであったシビック1200RS。

三菱からはGTO-GSR、FTO-GSR、ランサーGSR。

いすゞからはベレット1600GT、117クーペ。

このように私がさっと思い浮かべる車たちは、本当に実際に乗ってみたかった(運転をしたかった)車たちばかりである。

こういった魅力的な各社の車をリアルタイムで見られたというのは私にとってかけがえのない体験、幸せであり、トヨタ、日産をはじめとする自動車メーカー各社には私が長期間にわたってクルマファンでいられたことに対して改めて深くお礼を言いたいと思う。

昭和48年に運転免許を取った私は、ひょっとすると、これからも続いてゆくであろう自動車の長い歴史の中で、昭和46、47年の前後2、3年という、車社会の排ガス、交通事故などの負の側面がクローズアップされてゆく瞬間にも、各社の車の魅力を目いっぱい体感することができた唯一の世代ではないかと思う。