花と木沓
五月三十日
オハヨー オハヨー アソビマショ とエンリコ・ゴッツィ神父様
はぁい あそびましょ すぐ行きますよと わたし
五月はすてき!北国の花がいっせいに咲く

病室の梅つゆ
雨聖み堂どうの屋根に
今日も雨降る。
しんしんしんと
窓に雨降る。
白壁ひたして
背骨に雨降る。
足のうらに
じくじく雨降る。
悲しい病に野に山に
雨は糸より細く降る。
花と木沓【第7回】
どんなにのろくても、春は必ずやってくる
画家・小野千世の幻の絵日記を書籍化。
先の見えない不安に寄り添う、物静かな北国からの風のたより。
心に傷を持つ少女・ちよは、修道院で暮らすことに。教室に漂う牧草の香り、修道女たちのせせらぎのようなコーラス、響き渡る鐘の音…神様に見守られながら過ごす日々は、寂しくも温かく、ちよの心をほぐしていく。画家・小野千世の幻の絵日記を書籍化。※本記事は、おのちよ氏の書籍『花と木沓』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。
五月三十日
オハヨー オハヨー アソビマショ とエンリコ・ゴッツィ神父様
はぁい あそびましょ すぐ行きますよと わたし
五月はすてき!北国の花がいっせいに咲く
病室の梅つゆ
雨聖み堂どうの屋根に
今日も雨降る。
しんしんしんと
窓に雨降る。
白壁ひたして
背骨に雨降る。
足のうらに
じくじく雨降る。
悲しい病に野に山に
雨は糸より細く降る。