③「共感」

「肯定」の姿勢で、多様性を受け入れるステージをクリアできたら、次のステップへ進みましょう。「ありがとう」に代わる「絆ポイント」の貯め方。第二の駒、それは「共感」です。単純に「肯定」する段階を超え、相手の心情や環境、状況に寄り添い、「そうだね」と「共感」すること。

「朝からドタバタでもう何もかも嫌になった!」

この感情のアウトプット……。感情というより「愚痴」ですね(笑)。どう返しましょう? 

これは若干「性差」といわれる側面もあります。「男性らしい発想の人」「女性らしい発想の人」というのは、ある程度分かれます。性的マイノリティーの人も、やはり「どっちか寄り」というのがあるのではないでしょうか? 

このような「ただの愚痴」……。こういった感情のアウトプットが「男性らしい発想の人」から発せられることは稀です。だって、いったってしょうがないから(笑)。「それで、どうしろっていうの?」と思ったとすれば、あなたは「男性らしい発想の人」ではないでしょうか?

「うんうん、分かる、そういう時もあるよね!」と思われた方は「女性らしい発想の人」でしょう。そうです、この発言は基本的に「女性らしい発想の人」から発せされることを想定しています。多くの場合、その真意は「ただ、聞いて欲しいだけ」だと思われます。

「男性らしい発想の人」は合理的で、すぐに結論を求めるので、「そんなことを言ってどうするの?」だとか、「何が嫌だったの?」だとか、問題や課題を解決しようという発想に流れます。

他方、「女性らしい発想の人」は情緒的で人の感情、心情に寄り添うことを得意としているので、「そうなんだね、大変だったんだね」と、「協調」「共感」「同調」といったリアクションに流れがちです。

これは、どちらが「良い」「悪い」という話ではありません。相手が「男性らしい発想」をする人なのか、「女性らしい発想」をする人なのか、によって正解は変わります。「共感」のスキルは、特に「女性らしい発想」をする人に対して「心理的安全性」を担保する大切なスキルになります。

今、巷には、様々な「シェア」が拡がっています。「ワークシェア」「カーシェア」「ライドシェア」「シェアハウス」……。SNSで「シェア」する……。多くの人は様々なことを人と共有し、分かち合う。それがトレンドになってきました。

「シェア」しよう、「シェア」したい、というモチベーションを「いいね」が支えることもしばしば。たくさんの「いいね」がもらえると誰でも嬉しい。「いいね」こそ、最も典型的な「共感」のリアクションですね。

そして、「男性らし」かろうと、「女性らし」かろうと、「共感」には、次のステージがあります。一歩踏み込んで「共感」する、いわば「共感Level2」とは、どのようなものでしょうか?

それは、「心情・感情・環境・状況」への「共感」に加えて、更に「『大切なもの』を共有する」ことです。家族でも、趣味でも、贔屓のチームでも、絵画でも、クルマでも……。何でも結構。