練習が終わり、皆で銭湯に行った。冨吉駅近くにある銭湯だ。ここも久しぶりだ。高校時代の合宿でよく利用したところだ。何もかもが当時と同じだ。懐かしかった。

「この後、蟹江駅の近くにある飲み屋に行くが、時間あるか? ユカリとミッコ、ナオミも呼んであるぞ」と直が言った。

この女性三人もやはり高校時代の同級生だ。

「そうか楽しみだな」

蟹江駅近くの居酒屋「(うたげ)」についた。

修三先輩たちの行きつけの店だ。蟹高出身者がよく集まるとのことだ。食事はどれをとっても旨い。あえて名古屋弁で言うと「でらうま!」だでいかんわ。

マスターの人柄もよく、若く明るい奥さんと二人三脚で経営している評判の店だ。マスターも蟹高出身で一回生とのことだ。

夜になり皆が集まって来た。

そして女性陣三人も集まって来た。この三人はとても同い年に見えない若さと美しさを保っている数少ない女子たちだ。(決してお世辞では……ない筈だ)

ユカリは当時ラグビー部のマネージャーだった。小柄で非常にかわいらしい顔と声をしていたのだが、足首まであるスカートをはいていた。……とても怖かった。マネージャーといえど何かを頼んだ記憶は俺の中ではない。俺と直の携帯には今でも「ユカリ様」となっている。

ナオミはその美貌で入学当時から全校男子生徒のアイドルだった。三年、二年生からも声をかけられるほどの蟹高きってのマドンナだ。そのせいで俺たち一年男子は、常に上級生たちが一年生の階に来て困っていた。校長は知らなくてもナオミを知らない男子生徒はいなかった。彼女はハンドボール部に所属しエースだった。

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