プロローグ

二〇〇九年二月一日(日)

愛知県名古屋市 瑞穂区 瑞穂公園ラグビー場

東海地方のラグビーの聖地だ。

東京の秩父宮ラグビー場や大阪の花園ラグビー場と並び歴史のあるラグビー場だ。

トップリーグの試合や大学の選手権などで使用されている。

ラグビーを行う者にとっては、あこがれの場所であり、皆がこの場所を目指していた。

私たちは今、このグラウンドで戦っていた。グラウンドの脇には大勢の仲間たちが、見守ってくれている。

試合は同点で残り時間はわずかになっていた。前半で蓄えた点差を後半であっという間に追いつかれてしまった。このプレーが最終となるだろう。しかし、このまま終わるわけにはいかない。

これがラストチャンス。ゴールライン手前10mでスクラムとなっていた。

高校時代の先輩たちが、後輩たちが、仲間たちが必死に頑張っていた。

この一年間、皆で共に戦ってきた。

練習や試合で傷つき、今日この場に立てなかった者たちも駆けつけて応援してくれている。

まだ、終われない。

まだ、果たせていない約束がある。

高校時代の……仲間たち……

今、スクラムの中で必死に頑張っているのは、十代の若者たちではない。ほとんどが五十歳間際の男たちだ。

そう、あの高校時代から三十年の年月が過ぎていた。