腰痛に対するうつ伏せ体操のすすめ1

腰痛の発生には、腰にかかる体重負荷が関係しています。腰の骨にかかる負荷を減らすことが腰痛発生防止や治療に役立ちます。一方、慢性腰痛の方の腰背筋が弱っていることがわかっています。

また、腰椎椎間板ヘルニアのように椎間板が変性して破裂してしまうと腰痛が発生します。背骨への負担を減らすためには、姿勢の注意や腰背筋の筋力を増強・維持することが重要です。そこで考案されたのがうつ伏せ体操です。

うつ伏せ体操

背筋の疲労回復、背筋筋力の強化、腰椎の前弯(前反り)の獲得、椎間板の再生を促す体操です。体操は1〜3のやり方があります。できる範囲でステップアップしていきましょう。効果を得るには粘り強く継続することがポイントです。

・腰椎椎間板ヘルニアに対しては体操3が推奨されています。

・ 腰部脊柱管狭窄症や手術後の方は、体操2と3は無理せず、慎重に行ってください。

(参考文献:佐藤勝彦:特集腰痛予防と運動指導─セルフマネジメントのすすめ─腰痛予防─私の工夫「腰痛教室」.MBMedReha,198: 15-20,2016)

腰痛に対するうつ伏せ体操のすすめ2

[図1]うつ伏せ体操1

うつ伏せの姿勢になり、力を抜いて重力を感じながら背筋を緩めます。ゆっくり呼吸し栄養が腰の椎間板内へ浸み込む感覚をもたせます。時間は無制限、うつ伏せ姿勢で寝ていただいても構いません。[図1]では胸にクッションを置いていますが入れなくても構いません。

[図2]うつ伏せ体操2

肘を90°に曲げ、上半身を起こし腕で支えます。下半身の力を抜いてゆっくり呼吸します。頭を上げて正面を向き、腰を伸ばします。10秒保ったら元に戻る、これを10回繰り返します。

[図3]うつ伏せ体操3

しっかり肘を伸ばして上半身を起こし腰を最大限に伸ばします。顔は正面を向きます。下半身の力を抜いてゆっくり呼吸します。10秒保ったら元に戻る、これを10回繰り返します。うつ伏せ体操2が痛みなくできる人のみ実施してください。特に腰椎椎間板ヘルニアの方にお勧めしています。