【前回の記事を読む】当人の知らない間に相続される!? 他人事ではない「所有者不明土地」の実態

第一章 相続と不動産に関する状況

相続税に関する概況

相続を取り巻く環境、及び相続財産に占める割合の高い不動産についての概況をご説明しました。ここでは相続に関する税務のお話をさせていただきます。

相続税の納税者が増えている!

相続により財産を取得した場合、一定の条件を満たすと取得した方は相続税の申告・納税義務が発生します。では、どのくらいの方が毎年亡くなられて、どれくらいの方が相続税の納税をされているのでしょうか。参考までに図表1をご覧ください。

写真を拡大 [図表1]被相続人数、課税対象被相続人数及び課税割合の推移

こちらを見ていただくと、亡くなられている方の人数が毎年増えている中で納税となった相続件数も右肩あがりに増えていることがおわかりいただけると思います。

そして、平成二七(二〇一五)年からその件数及び割合が急増しています。この主たる要因は、二〇一五年の税制改正による影響が大きいと思われます。この改正により基礎控除額が五〇〇〇万円から三〇〇〇万円に引き下げられ、また法定相続人一人当たりの控除額も一〇〇〇万円から六〇〇万円に引き下げられました。

結果として、この改正により相続税納税となる相続件数が増えたと考えられます。