第一章 相続と不動産に関する状況

相続を取り巻く環境

日本が大変なことになりそうです

この書籍が発刊される頃は少し落ち着いているでしょうか。

原稿執筆時点(令和三年(二〇二一)七月二一日)、コロナウイルス禍において日本国内は大変な状況となっています。

感染者数が増減を繰り返しながら死亡者は増えています。不況により体力のない中小企業の廃業が増え続けています。個人の給与もあがるどころか、下がっていくばかりのような状況になりつつあります。コロナウイルスがワクチンで抑えられたとしても今後数年、日本経済は厳しい状況が続くことを想定しなければならない状況になりつつあります。

日本は高齢化社会なの? そもそも相続は増えているの?

このように厳しい状況に入りつつある日本ですが、そもそも日本は、コロナウイルス前はどうだったのでしょうか?

国の力を測る一つの目安に人口動態があります。図表一をご覧ください。

[図表1]資料:棒グラフと実線の高齢化率については、2015年までは総務省「国勢査」、2018年は総務省「人口推計」(平成30年10月1日確定値)、2020年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」の出生中位・死亡中位仮定による推計結果。

(注1)2018年以降の年齢階級別人口は、総務省統計局「平成27年国勢調査 年齢・国籍不詳をあん分した人口(参考表)」による年齢不詳をあん分した人口に基づいて算出されていることから、年齢不詳は存在しない。なお、1950年~2015年の高齢化率の算出には分母から年齢不詳を除いている。(注2)年齢別の結果からは、沖縄県の昭和25年70歳以上の外国人136人(男55人、女81人)及び昭和30年70歳以上23,328人(男8,090人、女15,238人)を除いている。(注3)将来人口推計とは、基準時点までに得られた人口学的データに基づき、それまでの傾向、趨勢を将来に向けて投影するものである。基準時点以降の構造的な変化等により、推計以降に得られる実績や新たな将来推計との間には乖離が生じうるものであり、将来推計人口はこのような実績等を踏まえて定期的に見直すこととしている。

そもそも日本は、若者の比率が高く、高齢者の比率が非常に少ない人口構造の状態である人口ボーナス期が一九九〇年代前半に終わり、二〇〇〇年前より若者の比率が低く、高齢者の比率が非常に高い人口構造の状態である人口オーナス期に突入しています。なんとなくかもしれませんが高齢者が増えていて将来に不安を抱えている人もいるのではないでしょうか。

また、内閣府の『令和元年版高齢社会白書』によると、平成三〇(二〇一八)年一〇月一日時点で、日本の高齢化率は二八・一%となりました。『超高齢社会』(※全人口に対する六五才以上の人口が二一%以上のことをいう)に突入し、かつ平成二二(二〇一〇)年以降、年々高齢化率は上昇しています。

さらに、今後の推計値を見ると、日本全体の人口は平成二二年をピークに減少を続けていますが、六五才以上の人口は二〇四五年のピークまで増加が続くと推測されています。

年間の死亡数は増え続けている

[図表2]出生数と死亡数の推移

(注)1972年以前は沖縄を含まない。2019年は推計(厚生労働省まとめ)

このような超高齢社会に伴って日本国内における年間の死亡者数も増加しています。

令和元年版の厚生労働省の資料(図表二)によると、死亡数は一九八〇年代から逓増傾向にあり令和元(二〇一九)年には一三〇万を超えるようになりました。一方、出生数は昭和五五(一九八〇)年を前に下がり始め令和元年には八六万まで落ち込んでいます。