終活の時がきた

未来のことはもう予測がつかない。後期高齢者だが体力に自信のあった私も、2020年になって体力の衰えを自覚せざるをえなくなったところへ、コロナが突然襲ってきたのだから、人生100歳時代とはいえ、明日の命は全くわからなくなった。死への覚悟と準備をしておくことにした。

R銀行の担当者と遺言信託についての打ち合わせを行った。私の死後、もし資産が残っていたら、それをどの団体に寄付するかを決める。遺品整理などをする通知人も決める。遺言書の文案を担当者が考え作成してくれた。

私は末っ子で、子供もおらず、遺体を引き取る人もいない。場合によっては孤独死で、死後すぐに発見してもらえるかどうかもわからない。できることならそれも全部自分で処理したいが、自分の死後処理を死者ができるわけがない。とりあえず、通知人を決める必要がある。私が死んだことをR銀行へ通知する人だ。通知人になる人には銀行の担当者が会い、通知人の住所と電話番号を控えるらしい。

銀座、新橋、新宿など東京の繁華街では、あるビールメーカーの取引レストランや居酒屋だけで5000店も閉鎖したという。これまで隆盛を誇っていた居酒屋スタイルが廃れていく。退社後、同僚と飲みに行かないし、ソーシャルディスタンスの問題もあるし、テレワークになると自宅周辺だけで日常生活が営まれるようになるだろう。

ここまで売上げが低下すると、どうあがいても店を継続することは困難だ。早めに業態変更をするのがいいのか。営業時間短縮要請に伴い、30パーセント売上げが低下している店舗は、家賃の60パーセントを6ヶ月にわたり支援してくれる施策ができた。これを受け取ったあとに進退を決めようとする店舗が多いらしいが、今回は先手必勝のような気がする。

居酒屋をやめて、エコイート(食品ロス削減ショップ)という、食品衛生上問題ない賞味期限切れ食品または廃棄予定の食品を売る物販店に変更する考えもあるが、この運営団体はまだ脆弱でよほど調査をしたうえでなければ業態変更を決めることはできないし、経営責任者をどうするかの問題もある。すでにエコイートが出店している町田と朝霞まで足を運び、見学する必要もあるだろう。

近くテレワーク要請が緩められ、通常勤務が8割まで認められ、この街に人が多くなるからしばらく様子を見るようにと、関係者にアドバイスされた。それから決めても、エコイートも悪くないと思う。一度に一人で考えているとノイローゼになるから、ゆっくり時間をかけて考えることにする。