敬明と別れた帰り道、わたしはあることを思いつき、遠まわりして図書館へ行ってみようと思った。『告壇』を見たかったのだ。わたしは婦人雑誌以外は読まなかったが、学校へ通っていた頃は、たまにだが、図書館で本を借りて読んでいた。新聞はまともに読んだことはないが、なにが書いてあるかぐらいはわかる。たぶん。 図書館へ行く途中、広場で男の人たちが集会をしているのを見かけた。労働者の集会らしかった。『勝手に賃金を…
[連載]天命愛憐
-
小説『天命愛憐』【第7回】せと つづみ
「社会を変えれば、貧しい人たちは救われる」労働者の集会で…それって本当?
-
小説『天命愛憐』【第6回】せと つづみ
入院中に訪れた怪しげな記者。警察官の友人に訪ねると「関わらない方がいいよ」
-
小説『天命愛憐』【第5回】せと つづみ
「貧しい人がいなくて、皆が平等の国」という言葉を聞いたときに感じた違和感
-
小説『天命愛憐』【第4回】せと つづみ
隣国で起こった革命。皆が豊かに、平等に暮らせる国になったというが…。
-
小説『天命愛憐』【第3回】せと つづみ
急な解雇と寮からの追い出し…。救いの神は母の幼馴染だった。
-
小説『天命愛憐』【第2回】せと つづみ
工場で働くのは不幸?!根掘り葉掘りと聞かれ、一方的に決めつけられて…
-
小説『天命愛憐』【新連載】せと つづみ
落雷事故に巻き込まれる沙茅、そこに一人の記者が訪れる…