当時スティーブストンには、約二〇〇家族の日系漁民が住んでいた。鮭漁は資源保護政策のために、六月から十月までの週に二、三日しか操業できない。漁の開始時間、終了時間も決まっている。監視船が常時見張っていて、密漁をすると罰せられる。夏の鮭漁の時期だけを漁場で過ごし、一年分を稼ぐ。そして、漁ができない時期は国からの失業保険で暮らす。「一年を五十日で暮らす漁師たち」と言われる所以である。ここの漁師の奥さん…
[連載]カナダの風
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【小説】カナダで暮らす母の訃報…。朝方見た夢はきっと別れの挨拶だった。