1998年5月16・17日(土・日) コーンウォール・ドライブ旅行記

ヨーロッパの5月は最高の季節です。天候が安定し気温も上がりますが日本のような蒸し暑さがなく、抜けるような青空の下さわやかな風が吹き抜けます。先週のアムステルダム観光以来ロンドンは快晴続きです。金曜日に近くに座っているロンドン支店副支店長(会計、監督機関担当)Pさんと同僚の欧州監査室課長のQさんにコーンウォールか湖水地方のどちらに行こうか相談したところ、「コーンウォールの方が暖かい」とのことで湖水地方は来月にすることにしました。

コーンウォールはグレートブリテン島の西南端、大西洋に嘴のように突き出している半島で、その最西端はその名もずばりランズエンド(Land’s End)。日本の根室半島納沙布岬みたいな物かもしれませんが、アメリカ大陸とヨーロッパを結ぶ海底通信ケーブルはすべてこの半島経由であり地政学的な重要性ははるかに高いと思います。

土曜日午後をプリマス観光に費やしたのでランズエンド(Land’s End)に到着したのは午後8時、サマー・タイムでまだ日は高く断崖の上にあるレストランで午後9時頃の日没を眺めながら(一人で寂しく)夕食を取りました。ここから多くの船がアメリカ大陸に向け広漠たる大西洋に乗り出して行ったのかと思うと感慨無量のものがあります。

 

この地域の魅力はなだらかな丘陵地帯の中の農場・森林で、その真髄を味わうためには是非幹線道路を離れて田舎道を走ることをお勧めします。イギリスの道路舗装率は100%ですし、森林の木漏れ日の中を緩やかにカーブする道をドライブするのは気分のいいものです。

日曜日の午前中コーンウォール半島の北岸沿いに脇道にそれ、芸術家の集まる港町セント・アイヴス、そしてティンタジェル城を観光しました。ティンタジェル城はアーサー王伝説で王が生まれた場所として有名な城で、海から聳え立つ断崖に囲まれて城塞の遺跡が残っています。

 
 

※注1)オランダ総督(【蘭】stadhouder、【英】stadtholder)は、広義には16世紀から18世紀にかけてのネーデルラント連邦共和国(オランダ王国の前身)における各州の首長。狭義にはその中でも特に有力で、ゼーラント州など他の州の総督も兼ね、事実上の世襲君主として君臨したホラント州の総督を指します。但し、訳語に植民地の長官を意味するgovernorの訳語として既に定着している「総督」を充てるのは意味上の混乱を招きやすく不都合なため、今日ではオランダ総督に代えてオランダ統領と表現することも見られるようになりました。共和国ヴェネツィアの元首ドージェ(【伊】Doge)も統領と訳されることがあり、この方が相応しいように思います。

※本記事は、2021年8月刊行の書籍『ヨーロッパ歴史訪問記』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。