同じようなことは日本代表女子バレー、広島東洋カープの試合を見ているときにもあった。

「バレー今苦しいね」

「ちょっと参加してくる!」

「気をつけて(笑)」

「アタックに当たって鼻血ブーになって帰ってくるよ(笑)」

広島カープの試合では、

「ちょっと参加してくる!」

「デッドボールでも良いからお願い(笑)」

「任せて! 頭に当たってくるよ!」

私も自分色に染まり、なおかつ笑いを取ってくれる千夏との未来しか考えられなかった。しかし、じきに千夏の容態は悪くなっていった。「超」がつく低血圧に悩まされ、血圧の数値は上72下55にまで下がり、病院通いをするようになった。癌になっていた母親の容態も良くならないことから、「全滅しそう」とこぼすこともあった。

「バイナリーできてる? お金大丈夫?」と聞くと、「一回の掛け金を上げて(3~4万円)エントリーしているから大丈夫だよ」と言った。こんな状況下でも、集中力を失わずに勝ち続けているのは凄いことだと私は思った。