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バイナリーオプションに千夏と私がのめり込んだ理由は一緒だろう。シンプルで、すぐに結果が出る。簡単なようで、奥が深く、まず全勝は無理だと言えるが、5分で8000円以上利益が出るのは、このバイナリーオプションだけだろう。

すべて勝てない理由は、投資家たちの心境によって、あるいはその日のニュースによっても為替の動き方が違うからだ。「先生」や千夏でも6~7割しか勝率を出せない。

しかし、その日のニュース、為替の流れ、投資家たちはどうするかを考えるのは、私にとって、そしてバイナリー仲間たちにとって面白い。そしてやりがいのあることだと思う。そして、利益が出れば、もう言うことはないだろう。

2020年は、コロナウイルスにより、経済が停滞し、私もなかなかバイナリーオプションをできていないが、もし、また元のような日常が帰ってきたら、また必死にやるだろう。それだけの魅力を持った投資であることだけは確かだ。

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千夏は当時、広島市で一人暮らしをしていた。私は西隣の廿日市市に住んでいたので、いつでも車で会いに行ける。そう思っていたら、冬に千夏は実家に帰ってしまった。聞くところによると、母親が体調を崩してしまったらしい。癌だと聞き、私は心中穏やかではなかった。かねてより、千夏の親兄弟は母親だけと聞いていたからだ。

しかし、彼女は元気だった。「今日、久々に縄跳びしたよ!」「今日、甥っ子に会ってめっちゃ可愛かった」など、かえって良かったのではないかと思うくらい毎日が充実していたようだった。

また、その頃から料理の話題も出始め、母親と一緒に毎日料理を作っているようであった。

「今日はグラタンだよ」

「今日は餃子だよ」

「今日はハンバーグだよ! 頑張ってこねるよ!」

と毎日美味しそうなメニューを語る千夏に、私は「家にいながら稼げて、家事もできるから理想の奥さんになれるよ」と言うと、「えへへ」と照れ笑いしていた。