俳句・短歌 介護 母娘 短歌 2021.12.09 「最後まで人」より3首 最後まで人 介護ひとり百十一首 【第9回】 詠み人しらず 登り坂もしもし亀に抜かれても 二人三脚行けるとこまで 母との日々を五・七・五・七・七の音に乗せて綴った、切なくも心温まる短歌集。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 最後かも車椅子に母移し めざす艶あでやか薄紅桜 見上げれば花びら乱舞たまゆらの 春風染めるももいろの空 うたかたの桜吹雪に包まれて 親子でまとう薄紅ごろも
エッセイ 『59才 失くした物と得た物』 【新連載】 有村 月 結婚してから35年、「愛」はなくとも「情」は生まれる ダンナが死んだ―まさかの現実。自覚はなかったが、この時から私の「おひとりさま」は始まろうとしていたようだ。たしかにダンナは肝臓の数値が悪いと1ヵ月半入院したものの退院、体力も少しずつ戻りはじめ還暦祝の1泊旅行もし、そのたった1週間後にはこの世からいなくなるなんて、頭の中のすみっこにさえなかった事。よくいう野球の九回裏2アウトからの逆転満塁ホームラン的な。その1年半前、最愛の母が「くも膜下出血」で…
小説 『ぼくらの風船』 【第5回】 美山 よしの 僕が何か大きな壁を乗り越えたような達成感を感じていた矢先、あの事件は起こった おてがみありがとう。お父さんも、毎日大阪で仕事をがんばっています。まことも、アンサンブルのれん習をがんばっているのですね。つづけて三つも合かくをもらえて、えらかったですね。「ウィーンのおどり」がどういう曲かお父さんは知りませんが、タイトルを見ても、なんだかすごくむずかしそうな曲ですね。でも、むずかしいことにちょうせんしてがんばることは、とても大切なことだとお父さんは思います。何回も何回もまちがえ…