雄二は智也と一緒に朝食を食べるため、普段より遅く起床してテーブルにつき、それを確認して私も座った。数分後に急いで座った孫の智也と、全員で食事をして終了すると智也が雄二に話し始めた。

「パパ、今日がお休みの日だったの。来週だと学校の運動会があるから、僕が全力で走ったりする姿を見学できたのに」

「そうだったのか。残念だったね。パパも智也が頑張って走ったりする姿を、実際に見てみたかったよ。智也はサッカー部で一生懸命練習しているし大活躍できただろうからね」

そんな雑談をした後、智也は普段どおり登校していった。その後ろ姿を確認して雄二が私に話し始めた。

「やはり自分の子供が、素直に成長している姿を確認できると親として嬉しく思うよ。けど、あの男から見た僕達は、邪魔者の使用人としか見えていなかったのだろうね」

そう話をしている雄二の顔は、これから始まる調停に対して怒りを感じている表情へ変化していた。私は黙って外出の準備をして、一緒に裁判所へ向かった。