見た目も少しずつ変わっていった。パーマをかけたかったが、お金がなかったから、寝る前に三つ編みして、起きたら完成している貧乏パーマ。目がきつく見えるようにアイライン、ダボダボのセーターに短いスカート。

ペタンコにつぶしたバッグには、ミルキーペンで好きなバンド名を書き、タバコ、ライター、メモ用紙、筆記用具、化粧道具が入っており、人形のキーホルダーがたくさんついている。なぜかピンクのタオルを肩からかけるのが私のスタイルだった。

その頃はルーズソックスの全盛期は終わっており、紺色の長いソックスを履き、黒のローファーを履きつぶしていた。外見も派手になっていくが、やることも豪快になっていった。

家の最寄り駅から数駅離れたお店で、ドラマのGTOを見て好きになった反町隆史の等身大パネルを見つけた。

「これ部屋に置いてたら、寝る時も寂しくないかも!」

お店の人に値段を聞くと、売り物ではないとのこと。買えないという現実にムカついた私は、次の瞬間パネルを担いで歩いていた。あまりに堂々と持っていたので、誰も止める気にならなかったのであろう。

160センチ以上あったであろうか、反町さんが女子高生に担がれている光景はきっと滑稽であったに違いない、すれ違う人たちは皆振り返っていた。それがまたおもしろかった。私は反町さんと一緒に電車に乗り、部屋のどこに置こうか、ウキウキして帰った。私にやれないことはないんじゃないか、そんな気にもなった。