ぎんちゃんはカラスが「高脂血症」とか「栄養バランス」と言ったことがおかしくて、自分の野菜が「口直し」にされていることに怒る気力もありません。

「この辺は、交通の便は良くないけど、住むには快適だね、確かに。便利なところは知らない人が増えるから、良くないね。分かった、カラスさんありがとう」

「駅前のカラスは、人間の繁華街にたむろする怪しい者と同じだよ。食い物がなければ、他に行く流れ者さ」

「人間と同じか。ラーメンはやめときな。カラスじゃなくなるよ。肥って飛べないカラス、にわとりカラスかね」

とぎんちゃんはカラスをからかいます。

「カラスも人間に飼いならされて、餌付けされる時代かね。いやだ、いやだ」

「あることを教えてくれたら、食糧は保証するけど、どう?」

ぎんちゃんは、カラスに交渉を持ちかけました。

「なんだい?」

「地震予知をしてくれたら、いくらでもやるよ!」

「けっこう、分かるから、考えてみるよ」

カラスはそう言って飛び立ちました。

「出来るだけ早くにね。ラーメンは無いよ。ストイックな体でないとセンシングしないだろうから」

ぎんちゃんが飛んでいくカラスに聞こえるように大きな声で言うと、カラスも負けじと声を張り上げました。

「つまんねーっ! ラーメンは喰いたい!」