カラスさんとの対話 その二

「カラスさん、たまには話をしましょうよ。いつも立ち止まって、にらめっこばかりでしょ」

ぎんちゃんがカラスに話しかけました。

「違うよ! 生まれつき斜に構えてみる癖があるんだよ。睨んではいないよ」

というカラスの目つきは、やっぱり睨んでいるように見えます。

「身構えるから話せないよ」

「しょうがないよ。意外に臆病なんだから」

カラスが臆病と聞いて、ぎんちゃんは驚きました。

「ところで、カラスさん、聞きたいことがいっぱいあるんだけど。カラスさんの子供への教育熱心さとか、集団生活の心地よさ悪さとか、争いの多さとか、住みやすい土地とか・・・、食べ時を知るグルメのカラスさんの味覚というか臭覚なども聞きたいよ」

「厄介なひとだな。結構、俺らをみているね。地面に這いつくばってるから、知らないかと思ってた。何からいくかね?」

「教育熱心さには興味あるね。カラスさんはまるで喧嘩しているように、青空の日に子供を追い回すね? あれは何の訓練だい?」

「縄張り争いには喧嘩がつきもんさ。相手を威嚇するには、素早く追い詰めて力を見せつける。これが最大の防御さ。それを空中戦で教えるのさ」

カラスの世界でも「攻撃は最大の防御」という考え方があることを知って、ぎんちゃんはまたまた驚きました。

「それに餌の捕り方も教えるのよ。狩りが上達したら、子から親への口移しの餌やりを教える。人間が、からす反哺はんぽの孝あり、と言ってるやつさ。烏が雛の時に養われた恩に報いるため、年老いた親の口に餌を含ませて返すんだ。本当は、生きるための教育さ」

「カラスさんは本当に賢いね。人間の親子みたいだ。そして、集団生活を大事にするよね。何故だい?」

「自分を守るには、集団のほうが楽だからさ。人間と同じだよ。悪い奴は追い出すし、よそ者は排除する。だから、定住できる」

ぎんちゃんはますます感心しています。