授業で各班の発表を聞いて、「学生、皆、すごい」と感心した。

既存ユーザーのヒアリング調査やそれに基づいた分析など綿密な計画の下にできあがった発表が多かった。そんなこんなで、これまで知らなかったことをたくさん学び、今まで気にしなかった業界にも目を向けるようになった。

そして、仲間の課題解決能力に目を見張り、学生たちの見事なプレゼンに刺激を受けた授業だった。

高校同窓生との再会

この年で学生になると若い時分とは違った面白いことを経験する。そんなエピソードを2つ。

入学前、私の専攻の教員紹介に目を通した時、ある写真と名前が気になった。

M教授。高校の同級生ではなかっただろうかと。大学のホームページで経歴を見ると、出身が北海道だったので人違いかもと自信がなかった。

明日は初めてその先生の授業があるという日、高校の同窓会があった。同級生に尋ねてみたら、やっぱりそうだった。

その日、M教授は少し早めに教室にいらしたので授業の前に声をかけた。

「F高校ご出身ですよね? 3の9、S先生のクラスでしたよね?」

M教授は、それはそれは驚かれた。そして授業が終わって、しばししゃべった。M教授、いやMくんは京都大学に進学し、カナダ留学もしていた。福岡には数年前に赴任したらしい。

前日、同級生から同窓会に連れてくるようにと言われていたので、これから行きましょうと誘った。高校時代は交流がなかった同級生から授業を受けるなんて、ふつうはないだろう。

そして大学院生共通科目の集中講義に出た時のこと。4日コースの2日目。私は仕事との調整がうまくできず、単位とは関係なくその日のみの受講。授業前に客員教授に挨拶している人を見てびっくりした。

「C先輩!」

高校の部活の2学年上の先輩だった。C先輩がビジネススクールで学ぼうとされているという話は去年別の先輩から聞いていた。今は修士2年生で論文に取り組まれているところ。

この授業は、単位は取らないが聴講だけと参加されていた。何年ぶりだったろう。C先輩は長く海外で仕事をされていた。何年か前、働き盛りの女性向け雑誌に、外国で活躍している女性の一人として取材されていらして、その記事を誇らしく見た覚えがある。

JICAのプロジェクトコーディネーター経験を経て、今は大学で仕事をしながら夜間大学院の学生。

今、学生としてそんな再会も楽しんでいる。