「邂逅」10歳から11歳:運命の出会い 4

長野の野辺山にある大きな時計台が付いた建物の帝産ロッヂに集まってくる親子たち。子供たちは9歳から12歳までの小学生だ。全国から有望なフィギュアスケートの新人を発掘するための合宿である。

帝産ロッヂ内のスケートリンク2階広場に開校式のため参加した小学生が体育座りをして6列に整列している。その中には、小学5年生で参加している一ノ瀬純、本城麗子と伊藤健太もいる。そこに責任者の小笠原が現れ

「今日からいよいよ合宿が始まります。ここはスケートを教わりに来た場所というだけでなく4日間とはいえ、共同生活をする場でもあります。それぞれのコーチの意見を聞いて怪我なく過ごしましょう。わかりましたか?」

子供たちは、「はい」と元気よく答えたり、うなずいたりしている。